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-- 蔵書の紹介「ターヘル・アナトミア」 --

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『ターヘル・アナトミア』は『解体新書』の底本となった解剖学書である。
ドイツ人クルムスの解剖学書がオランダ語に翻訳されたもので、1734年アムステルダム刊、『ターヘル・アナトミア』はドイツ人医師クルムス(Johann Adam Kulmus 1689年~1745年)の著書である。
日本へは少なくとも2冊輸入されている。杉田玄白と前野良沢の所有した本である。

前野良沢は、明和7年(1770年)長崎遊学の際に同書を入手している。
杉田玄白に同書を紹介したのは、『解体新書』の翻訳メンバーでもある中川淳庵で、明和8年(1771年)の春、中川淳庵は、江戸参府中の出島商館長、カピタンを訪問し、そこで『ターヘル・アナトミア』および『カスパリュス・アナトミア』を見せられ、望む者がいれば譲る、と言われた。
中川淳庵自身もこの本に興味があったと想像されるが、彼が購入できる金額ではなかったようで、2冊を預かって、同じ小浜藩医の先輩であった杉田玄白のところへ持ってきた。
杉田玄白も大いに興味を持ったが、彼もまた個人で買える金額ではなく、藩の家老に頼み込み、代金を出してもらいやっと入手できたようである。なお杉田玄白は『カスパリュス・アナトミア』もこの時同時に入手したらしく、『解体新書』に杉田玄白所蔵の参考図書として出てくる。
同年、明和8年(1771年)3月4日、小塚原刑場での刑死者の腑分を見るために杉田玄白、中川淳庵、前野良沢などが集まった。
そのとき前野良沢は『ターヘル・アナトミア』を持参してきた。
それは玄白が入手した物と同書同版であるとわかり、互いに手を打ち合ったそうで、その翌日から、前野良沢、杉田玄白、中川淳庵によって、『解体新書』の翻訳作業が始まった。

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