楽天koboと提携することになりましたので、実際の端末でうちの電子書籍を使ったレビューを。
その前に、前回のブログを参考ください。
「楽天koboと提携することになりました」
http://www.i-apple.jp/catseye/2012/12/kobo.html
使用端末は「kobo glo」
画面は6インチ、内蔵メモリは2GBだけど、microSDカードスロットがあるので32GBを追加。公式サイトには一回の充電で1ヶ月保ち。7980円税込みだそう。
ボタンは上部にバックライト用の小さいボタンと、電源・スタンバイ兼用のスライドスイッチの二つだけ。左面にmicroSDのスロット。ちょっとむき出しすぎるので、見た目はどうあれ、ビニールテープぐらい張っておきたいと思ったり。下部にはmicroUSBの接続口。シンプルではある。
あと、モノクロだ。これは繰り返し説明が必要だと思うけど、画面は液晶画面ではなくEインクというものでできている。カラー液晶は鮮やかできれいだけど、字を読むには疲れやすい特性がある。それに消費電力も多い。Eインクは仕組み上、反応も遅いのだけど、とにかく省電力で毎日充電をしないと、いざというときに役に立たないスマートフォンなどとは違う。そしてなにより、紙に印刷したものに近い印象を受ける。その意味では読みやすい。これによって、買いやすい価格帯の商品になっているのだろう。あえて、モノクロ。
3Gは対応していない。無線LANはある。一応、おまけ機能としてブラウザも搭載してる。メニュー>機能>その他>ブラウザと、ちょっと煩雑ではあるが、何となく、ツイッターや、フェイスブックぐらいの利用は可能だ。パスワードやcookieを維持できないので、そのあたりは面倒ではある。スピーカーなどついているわけではないので、そんなに期待しなければ、最低限使える。
3Gに関しては、アマゾンのKindle Paperwhiteと比較しないといけないだろう。koboと同様のEインクを使ったモノクロ端末。他のKindle端末は通信について別会社の通信契約が必要かもしれないが、この機種だけは携帯電話用の3G回線の代金をアマゾンが支払う形式の契約もある、いつでも、どこでも本が買えるというのは、先を行っている機能だと思う。まあ、ポケットWIFIも普及しているし、本を買う場合、自宅の無線LANの圏内で行われることを考えれば、カバーできる部分もある。
アマゾンは、書籍販売の実績もあるので、将来的には、提携も考えるが、現状、うちの様な復刻書籍の販売を認めていないこと。価格決定においてアマゾン側の制限があるようなので、そのあたりも課題。
競合するアマゾンとアップルコンピューターと、もっとも異なるのがmicroSDの対応だと思う。
この点において、両者とも、大容量の機種はそれだけ高い価格で販売し、各社の販売システムのみで書籍を購入し利用することを促しているので、この点では、消費者の選択しを狭めているように感じるが、ビジネスモデルとして、必要なことのなのかもしれない。
koboは、その点がより自由だとおもう。良くも悪くも、後発の新しい会社で、成熟するまでにもう少し時間がかかるのだろうが、日本の会社による運営は、日本独自に複雑に組みあがった出版業界との関わりを解決できるかもしれない。提携に当たって、専用にソフトをくみ上げてもらった点もあり、日々開発が行われているのだと思う。
戦国時代の様な多数の電子書籍が立ち上がり、消費者がどれを買ったらいいのかわからず、黒船のごとくアマゾンとアップルコンピューターに市場が蹂躙されるのは、日本の損失ではないかと感じる。いいものが残れば、消費者はいいのかもしれないけれど。
さて、実際の使用感ですが、
通常の利用では、ネットで直接ダウンロードいただくのですが、確認データでは、調整されたepubデータをSDカードにコピーして確認します。あんまり、書籍500タイトル他画像多数の数を入れている方は少ないと思いますが、スロットにカードを挿入すると、しばらくして、端末による読み込み作業が始まります。16GBほどのデータになってしまうと、6時間ぐらいみなければいけません。(ふつうの使用方法ではここまではならないはずです)
画面のEインクの構造上、時々画面が暗転したり、あまり早い動作とはいえませんが、特別遅い使用というわけでもないと思います。まあ、そもそも高速なCPUではないでしょうし、人の本を読むスピードに追いつけばいいのだと思います。最新のスマートフォンなどの端末をお持ちの方は、その違いにイライラすると思いますが、昔からの遅い機械とつきあってきた身からすると、相応なんだろうと思います。
私どもの電子書籍とkoboは相性がいいように思います。細かい文字もあるのですが、筆字や版画はモノクロが基本で、また、字の大きさも多少大きい。特段拡大しなくても、読める。(崩し字の解読といういみでは難解ですが、端末の性ではないので)読みにくい字は、一文字を画面いっぱいにまで拡大もできる。
スマートフォンと違って、頁送りは、スライドさせるというより、決められた場所をタップする。これはとまどうすもしれない。うちは右綴じが基本なので、標準では、画面の左側をタップすると頁が送られ、右側をタップすると前の頁にもどり、中央下をタップすると拡大やフォントなどのメニューが表示されます。
裏面の素材が多少滑り止めの効果があるのか、一応、右手で片手持ちもでき、そのまま本が読めるように設定を変更して、親指で届く範囲をタップしても頁送りできるように設定変更しました。
比較的大きなデータでも、表示は安定で十分見やすい。ライトも明るい。
メニューから直接書籍検索することで、いっきに探している本を出せるのはスムーズ。
その中で課題もいろいろ見えてくるのですが、なにより、本棚の設定が煩雑。端末での設定はもたもたしてしまうが、PCに接続した際に動くソフトも本棚の編集には対応しない。収録した本と本棚が多くなったり、新たに作った本棚にアクセスすると、とにかく最初が時間がかかる。リンクのデータベースを全部更新しているんだろうか?ただ、一度読み込みをすると、あとはスムーズ。
本の分類方法にも課題があって、なかなかカテゴリーから探したい本を探せない一面ある。シリーズをまとめたり、関連の書籍と連携したり、このあたりはホームページの改善もこれから。
ハードの問題というより、ソフトウェアの調整改善は、まだまだすすむと思うし、ライバルの機種も多数あるので、これから十分に機能の改善はすすむと思う。これに期待したい。
それでも現状。必要な分の機能は果たせている。この事業で目指していた図書館を持ち歩くという形をかなり体現できていると思う。それぞれの歴史の話題に、臨機応変に必要な資料を紹介できるようなってきた。要は、使い手にその需要と目的があるのかということになるのだと思う。
なかなか、通勤通学の間の時間つぶしなら、文庫本の方が軽いかもしれないから。
これから、カラー液晶でアンドロイド使用のARKも開発されているようだし、そのうち、アンドロイドアプリも出てくると思うので、いずれにしても、まだまだ便利になるので、これからに期待したいのです。